駅前のパスタ屋さんに寄った時、まだ20代くらいの若い男女がテーブルに座って、何か真剣な話をしているのを見かけた。
席が近くだったので、聞くとはなしに聞いていると、カップルだと思ったその二人はただの同僚だったようだった。

「一生懸命やっても…仕事を押し付けられたり増やされたりで、じゃあ適当にやればいいの?一生懸命やらなければいいの?そんな矛盾した、腐った、馬鹿みたいな話がある?」
女性の方が心底ぐったりした声で言っています。
「本当になぁ…正当な評価と、仕事してくれるやつを大事にするってのがないんだよな、そいつらはおれたちがいつまでもそばにいてくれる犬みたいなやつだと思ってるんだ、心なんかない、モチベだって関係ない、勝手に頑張ってくれる心臓みたいなやつだってね。」
男性のほうも相当憔悴しきっているようでした。

「でも間違ってるのよね、私達にも心があってね、嫌なことをすれば嫌われるのよ。心臓のように思ってたとしたら、労らないで酷使してたらどうなると思う?いきなり心筋梗塞になる。心臓の発作なんていつもいきなりでしょ。一番大切なものほど、ないがしろにした代償はでかい。」
「そうだなぁ、いまおれたちが辞めたらきっとこう言うんだ、お前には人の心がないのか、この忙しいのにって。でも最初に人の心を無視したやつはあなただから、仕方ありませんねってやつだ。」

二人は同時にため息をついた。
私もまた、ため息をついた。

「転職おめでとう」
「転職サイトっていいね、今度の会社は人間関係が良いところにしてもらったよ」
「今度は一生懸命仕事をする人を大切にするところであって、自分もそうでありますように」

今日の食事はいつもよりも美味しかった。
転職サイトは、心臓を大切にするためにあるのだ。